メディケアとは誰を対象にした、どのような保険ですか?
メディケアとは65歳以上の人が対象となる連邦政府による医療保険プログラムです。特定の障がいを持つ65歳未満の人も対象となります。ステータスとしては市民権もしくは永住権保持者が対象です。非移民ビザ保持者は民間の医療保険に加入することになります。
メディケアにはオリジナル・メディケアとメディケア・アドバンテージがあり、共に次のようなパートに分かれています。
- メディケア・パートA: 入院保険(Hospital Insurance) 入院時の滞在費用および治療費が対象です。
- メディケア・パートB: 医療保険(Mediccal Insurance) 医師による診断、治療費などが対象です。
- メディケア・パートD: 処方箋カバレッジ(Prescription Drug Coverage) 処方薬の費用をカバーします。
なお、一般的には多くの人がパートAに関しては月額保険料を支払いません。これは、ソーシャルセキュリティータックスの10年分のクレジットがあれば、保険料がカバーされるからです。10年未満の人も加入はできますが、ソーシャルセキュリティータックスを払った年月で支払い金額が異なります。
オリジナル・メディケアとメディケア・アドバンテージの違いを教えてください。
メディケアに加入する際には、前述のオリジナル・メディケア(以下オリジナル)とメディケア・アドバンテージ(以下アドバンテージ)の2種類から選ぶことができます。オリジナルの場合はパートA、B、Dを選んで加入できますが、アドバンテージは、パートAとパートBに加入していることが基本で、さらに多くの場合パートDも含まれている「オールインワン」式の保険です。またアドバンテージの運営は、政府から100%業務委託を受けた民間の保険会社によるものであり、プランも多様です。
オリジナルのメリットは、メディケアを受けている医師または病院ならどこでも受診できる点です。一方のアドバンテージは、そのプランのほとんどがHMO方式なので、主治医を決め、専門医に行く場合は主治医の紹介を受ける必要があります。ですから、「このドクターにかかりたい」というこだわりがある人は、アドバンテージを避ける傾向があります。
また大きく異なるのは費用面です。オリジナルは、医療費の2割を自己負担することになります。一方のアドバンテージの場合は、さまざまなプランがありますが、通常、自己負担費用がオリジナルに比べて安くなります。
また、月々の保険料は、オリジナルではソーシャルセキュリティータックスを10年分払っている前提で、パートB、さらに処方箋の補償も受ける場合はパートDに対して払います。アドバンテージでは、パートBの保険料に加えて、委託されている保険会社に対してプランごとの保険料を支払います。プランによって保険料はゼロというものもあり、在住の地域によっても異なりますが比較的定額です。
オリジナル・メディケアの月々の保険料について教えてください。
パートBの保険料は年収によって異なるだけでなく、毎年変動する可能性があります。昨年は年収8万5000ドル以下の人で月額135ドル、今年は144ドル60セントとなっています。メディケアに加入すれば、医療費の8割がカバーされます。個人が2割負担です。しかし、アメリカでは医療費が非常に高く、一度入院するだけでかなりの高額となる可能性があります。メディケアを適用すれば、個人負担が2万ドルです。そこで有料の補助プラン(サプリメント)として、メディケア以外に民間の保険に加入する方法があります。保険料はだいたい月額170ドル弱からです。これは年々上がっていき、80歳になる頃には400~450ドルほどになります。
よって65歳の方に毎月かかる医療保険の額はメディケアに150ドル、サプリメントに170ドルで合計約320ドル~です(年収によって異なります)。さらに、任意加入のパートDは、民間が運営している薬の保険です。薬を服用している人は、パートDに加入することで薬を購入する際に保険が効きます。これらの組み合わせについては、エージェントに相談して適切なプランを選択するとよいと思います。
年収とパートB保険料の関係
(2年前のタックスリターンの年収額で保険料が決まる)
年収(2023年) | 月額保険料(2025年) |
$103,000以下 | $174.70 |
$103,000 - $129,000以下 | $244.60 |
$129,000 - $161,000以下 | $349.40 |
$161,000 - $193,000以下 | $454.20 |
$193,000 - $500,000以下 | $559.00 |
$500,000以上 | $594.00 |